第294号
当協会では、来る6月11日(水)に会員各位と招待者限定の懇親会を開催いたします。本懇親会は、業種横断型という当協会の特徴を反映して、産業界の各分野はもちろんのこと、関係府省、大学、研究機関、団体等から大勢の方々が交流する場です。我が国海洋産業の発展と、海洋の開発・利用・保全のますますの前進に向けて、新たな交流の輪を広げていただければ幸いです。会員各位におかれましては、万障繰り合わせの上よろしくご参加いただければ幸いです。なお、参加登録方法につきましては、本e-mail通信の《海産研関係情報》をご参照ください。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.4/25、総合海洋政策本部会合(第23回)開催
2.国交省、洋上風力発電導入促進に向けた港湾のあり方検討会でとりまとめ
3.環境省、戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業で選定団体を公表
4.環境DNA活用海洋生物多様性観測網、UNESCO「OCEAN DECADE ACTION」に採択
5.NYK、再使用型ロケットの洋上回収船の研究等でJAXA宇宙戦略基金事業に採択
6.ひびき灘沖浮体式洋上風力発電所、商用運転開始
7.五洋建設等、伊豆大島沖での浮体式風況観測タワーでの観測を実施
8.川崎重工、持続可能な水産養殖システムを開発
9.英国政府、洋上風力発電サプライチェーンに約570億円を投資
10.米国政府による新規の風力発電開発凍結に対し、州司法長官連合が訴訟
《海産研関係情報》
1.2025年度グループ調査研究、参加募集中!(会員の方へのご案内)(再掲)
2.2025年度懇親会の開催について(詳細、参加登録等のご案内)
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《海産研関係情報》
1.4/25、総合海洋政策本部会合(第23回)開催
4月25日午前、首相官邸にて「第23回総合海洋政策本部会合」が開催された。議事は、海洋開発重点戦略のフォローアップ等について(案)、報告事項として低潮線保全計画に基づき令和6年度に実施した主な取組、総合海洋政策本部参与会議意見書についてとなっている。同意見書は、総合海洋政策本部参与会議の中西座長(京都大学教授)から、総合海洋政策本部長である石破内閣総理大臣へ手交された。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/kaisai.html#250425
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/dai23/23gijisidai.html
2.国交省、洋上風力発電導入促進に向けた港湾のあり方検討会でとりまとめ
国土交通省港湾局は、4月25日「洋上風力発電の導入促進に向けた港湾のあり方に関する検討会」(座長:横浜国立大学名誉教授、放送大学名誉教授、來生新氏)のとりまとめとして、「昨今の基地港湾を取り巻く課題への対応策と今後の課題」を発表した。同検討会は、2024年度に洋上風力発電を取り巻く状況の変化を踏まえ、更なる導入促進に向けて必要となる港湾機能について3回の会合を開催し検討を重ねた。とりまとめでは検討会での議論を踏まえて、促進区域等の指定状況、基地港湾の整備状況、洋上風力発電を取り巻く動きにあわせた港湾に係る現状の課題と対応策及び今後の課題等がまとめられた。
https://www.mlit.go.jp/report/press/port01_hh_000301.html
3.環境省、戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業で選定団体を公表
環境省は4月25日、2025年度から実施する「戦略的『令和の里海づくり』基盤構築支援事業」の実施団体として、全国から公募した37件の中から8団体を選定したことを発表した。同事業は、2022年度から2024年度にかけて実施された「令和の里海づくり」モデル事業の後継として、閉鎖性海域を含む全国の沿岸地域での里海づくりを推進するもので、具体的には、「今後の里海づくりのあり方に関する提言」に基づき、藻場・干潟の保全・再生・創出、地域資源の利活用による好循環、多様な主体との連携を重視し、地域課題の同時解決と持続可能な取り組みを目指すとしている。事業は2025年度から2027年度までの3年間にわたり、計画策定と実施に対して資金的・技術的な支援が行われる。
https://www.env.go.jp/press/press_04799.html
4.環境DNA活用海洋生物多様性観測網、UNESCO「OCEAN DECADE ACTION」に採択
東北大学の近藤倫生教授がプロジェクトリーダを務める「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」は、世界12カ国・地域の環境保全機関と連携し、環境DNA観測活動を展開している「ANEMONE Global」が、UNESCOの持続可能な海洋を実現するプロジェクト「OCEAN DECADE ACTION」に2025年3月に採択されたことを4月21日に発表した。「ANEMONE Global」は、2024年1月に設立され、活動概要・目的として、世界規模での海洋生物多様性モニタリングの基盤確立、モニタリングや分析、解析手法の標準化等を掲げている。2025年度は、海外の研究機関との連携による海洋モニタリング等を計画している。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20250421_01_dna.pdf
5.NYK、再使用型ロケットの洋上回収船の研究等でJAXA宇宙戦略基金事業に採択
日本郵船(株)は、JAXAの宇宙戦略基金事業「将来輸送に向けた地上系基盤技術」A)再使用機体の回収系に係る地上系基盤技術開発に採択され、4月17日にJAXAとのキックオフミーティングを実施、研究開発を開始したことを発表した。再使用可能なロケットを洋上で安全に捕獲、回収し、運搬することを可能とする洋上回収船の基盤技術の開発に取り組み、検証試験を進めるとしている。
https://www.nyk.com/news/2025/20250422_01.html
6.ひびき灘沖浮体式洋上風力発電所、商用運転開始
SMFLみらいパートナーズ(株)、(株)グローカル、(株)人社グループ、 コトブキ技研工業(株)、中国電力(株)、リニューアブル・ジャパン(株)は、「ひびきフローティングウィンドパワー合同会社」を設立し、4月22日に「ひびき灘沖浮体式洋上風力発電所(福岡県北九州市響灘沖、3,000kW×1 基)」 の商用運転を開始したことを発表した。同発電所は、NEDOの「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究(バージ型 )」 で設置され、2024年3月末に実証研究が終了したものである。発電した電気は、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を活用して九州電力送配電(株)に全量売電するとしている。
https://www.energia.co.jp/assets/press/2025/p20250422-1.pdf
7.五洋建設等、伊豆大島沖での浮体式風況観測タワーでの観測を実施
五洋建設(株)と商船三井マリテックス(株)は、洋上風力向け風況観測事業に関するコンソーシアムを組成し、大島町(東京都)が代表として環境省から委託された「令和5年度浮体式洋上風力発電による地域の脱炭素化ビジネス促進事業(伊豆大島沖調査)委託業務」のうち風況観測業務について、共同事業実施者として受託したことを4月21日に発表した。同事業は、地域が浮体式洋上風力発電によるエネルギーの地産地消を目指すに当たって必要な各種調査、当該地域における事業性・二酸化炭素削減効果の見通しなどを検討し、地域の脱炭素化を促進することを目的としている。2024年9月に浮体式風況観測タワーを設置し観測を開始しており、観測は、環境省からの委託事業が終了した後も2025年度まで継続する予定としている。
https://www.penta-ocean.co.jp/news/2025/250421.html
8.川崎重工、持続可能な水産養殖システムを開発
川崎重工業(株)は、4月14日、同社のこれまでの技術を活用した持続可能な水産養殖システム(「MINATOMAE」(ミナトマエ)システム)を開発していることを発表した。同システムの特長は、同社が保有する技術として、数値流体力学解析の応用や、酸素供給のコントロール、スロッシングの知見等を活かした他、環境への配慮、港湾や海岸近くでの水産養殖により輸送コストやエネルギー使用を削減し、安定供給を目指す等となっている。2022年から4回の育成試験を実施し、2025年1月からは神戸港海域でトラウトサーモンの育成試験を実施している。なお、魚の育成や流通についてはマルハニチロ(株)の支援を受けている。
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20250414_1.html
9.英国政府、洋上風力発電サプライチェーンに約570億円を投資
英国政府は、4月24日付のプレスリリースで、国内の洋上風力発電サプライチェーンへの国内外からの投資を呼び込むため、初期資金として3億ポンド(約570億円)を拠出することを発表した。この資金は、公営クリーンエネルギー企業「グレート・ブリティッシュ・エナジー(GBE)」を通じて、浮体式洋上プラットフォームや送電ケーブル等、サプライチェーンへの投資に充てられるとのこと。今後、英国政府各機関は国内外のクリーンエネルギー開発企業や投資家に向けて、英国への投資を呼びかける書簡を送付する予定。
https://www.gov.uk/government/news/prime-minister-launches-major-boost-for-uk-clean-energy-industry
10.米国政府による新規の風力発電開発凍結に対し、州司法長官連合が訴訟
ニューヨーク州政府は、5月5日付のプレスリリースで、米国トランプ政権による新規風力発電開発の無期限凍結に対し、同州を含む18名の司法長官の連名(下記参照)で訴訟を起こすことを発表した。1月20日、トランプ政権は風力発電の開発に対する政府承認を全面的に停止する大統領令を発令した。その結果、米国内では多数の風力発電プロジェクト申請が凍結されている。ジェームズニューヨーク州司法長官も参加する司法長官連合は、今回の発令の違法性を指摘し、訴訟期間中は凍結措置の仮差し止めを請求するとのこと。本件にはワシントンDC及び以下州の司法長官が参加している。ニューヨーク、マサチューセッツ、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コネチカット、デラウェア、イリノイ、メイン、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ニューメキシコ、オレゴン、ロードアイランド、ワシントン。
https://ag.ny.gov/press-release/2025/attorney-general-james-leads-challenge-trump-administrations-attempt-block-wind
《海産研関係情報》
1.2025年度グループ調査研究、参加募集中!(会員の方へのご案内)(再掲)
当協会の2025年度グループ調査研究のテーマは下記の7件となっています。会員の皆様からの多数の参加をお願いいたします。参加資格は1~5は正会員のみとなっていますが、賛助会員でも正会員への移行を前提に参加は可能です。また、6、7については正会員・賛助会員ともにご参加をいただくことが可能です。よろしくご検討いただければと存じます。これらの事業内容についてのお問い合わせは、事務局まで、遠慮なくお申し越しください。
(メールアドレス:rioe@rioe.or.jp)
1)「洋上風力発電等の漁業協調の在り方に関する提言研究」
2)「浮体構造物(マリンフロート)の活用に関する調査研究」
3)「重要遠隔離島及び周辺海域の利用・保全方策に関する調査研究」
4)「海洋自然エネルギー利用技術の実用化プロジェクトに関する研究」
5)「洋上風力発電等の主力電源化に資する海底送電線網の実現に向けて」
6)「浮体式洋上風力発電の実用化に向けて」
7)「ブルーカーボンの実用化及び普及に向けた調査・研究」
2.2025年度懇親会の開催について(詳細、参加登録等のご案内)
当協会では、来る6月11日の定時総会終了後に、懇親会を開催いたします。会員の皆様におかれましては、ご参加のご検討、どうぞよろしくお願いいたします。懇親会の詳細、参加登録につきましては、当協会HPの会員専用ページ(会員ログインの資料ダウンロード)に掲載しております。ログインに必要なID、パスワードは、会員窓口ご担当者へお知らせしております。ご不明な場合は事務局にお問い合わせください。