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2025年6月13日

第295号

去る6月11日、大手町経団連会館において当協会の総会、懇親会が開催されました。懇親会での清水琢三会長のあいさつでは、本国会で改正された再エネ海域利用法への期待や、浮体式洋上風力の発展、洋上風力関連産業の人材育成に対する当協会の意欲が示されました。続いて坂井学海洋政策担当大臣、黄川田仁志衆議院議員より来賓挨拶を頂戴しました。当日は、会員企業、有識者、関係府省、関係団体、自治体等から約220名の参加があり、大小さまざまな懇談の輪が広がりました。お忙しいところ、ご参加いただきました各位に厚くお礼申し上げます。


=======  目  次  =======  

《一般情報》

1.再エネ海域利用法改正案成立、洋上風力のEEZ拡大へ
2.NEDO、浮体式洋上風力の沖合風況観測手法の研究開発実施体制を決定
3.東京都、東京ベイeSGプロジェクト先行プロジェクト令和7年度公募
4.千葉県海業推進基本構想を策定
5.FLOWRAとイノベーション・ノルウェー、浮体式洋上風力で連携
6.九電みらい、商用スケール大型潮流発電機の実証運転を開始
7.全漁連・東ガス等、福島県沿岸の藻場育成等を通じた豊かな海づくりで協定
8.ENEOS等、環境省の海洋資源を活用したCCUSに関する調査検討業務を受託
9.商船三井、ウインドチャレンジャー搭載船の発明で全国発明表彰WIPO賞受賞
10.岩手県三陸海域研究論文知事表彰事業で研究論文を募集
11.エクイノール社、米国NY沖の洋上風力発電の建設を一時停止後、再開
12.6月9日~13日、第3回国連海洋会議をフランス・コスタリカが共催


《海産研関係情報》
1.定時総会、2025年度懇親会開催
2.2025年度、会員向け出張情報サービスの実施について

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《海産研関係情報》


1.再エネ海域利用法改正案成立、洋上風力のEEZ拡大へ

 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律案が、6月3日、衆議院本会議で賛成多数で可決、成立した(参議院先議法案:参議院では4月11日に可決)。EEZにおける海洋再生可能エネルギー発電設備の設置許可や、海洋環境等の保全に配慮した海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域の指定を通じて、同エネルギーの導入拡大を図ることを目標としている。法律名は「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に関する法律」に改められる。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DDE9EE.htm


2.NEDO、浮体式洋上風力の沖合風況観測手法の研究開発実施体制を決定

 NEDOは、「沖合における風況観測手法の確立に向けた研究開発」に係る公募を実施し、6月5日に実施予定先を決定したことを発表した。浮体式洋上ウィンドファームの事業計画では、精度の高い風況データを取得することが重要であるが、現状では多大なコストを要すること等の課題も多い。フローティングライダー等のリモセン技術の活用や、洋上での風況観測タワー設置の低コスト化や合理化等が期待されており、同事業で、日本の沖合における合理的な風況観測手法の確立をするための技術開発等を行うとしている。採択テーマは「フローティングライダーシステム(FLS)を用いた沖合の風況観測手法の確立」等4件となっており、それぞれ複数以上の企業、団体、大学等で取り組む予定となっている。
https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100414.html


3.東京都、東京ベイeSGプロジェクト先行プロジェクト令和7年度公募

 東京都が取り組んでいる、東京ベイeSGプロジェクトでは、自然と便利が融合した持続可能な都市の実現に向け、「先行プロジェクト」を令和4年度から始動し、中央防波堤をフィールドに、これまで計20件のプロジェクトを採択している。令和7年度の公募が、7月より開始される。ベイエリアでのゼロエミッションやサーキュラーエコノミーの実現に資する、「次世代モビリティ」「最先端再生可能エネルギー」「環境改善・資源循環」の3分野の技術を活用したプロジェクトの募集・選定が行われる。採択件数は、合計3件程度を予定している。詳細は以下で発表される。なお、6月からはプロジェクト全般、公募要領等に関する事前相談が開始されている(7月下旬までの予定)。
https://www.tokyobayesg.metro.tokyo.lg.jp/priorityprojects/recruitment2025.html


4.千葉県海業推進基本構想を策定

 千葉県は、漁業の実態や自然環境、交通アクセス等、県内4地域(内湾、内房、外房、銚子・九十九里)ごとの特色に合った海業を推進するため、「千葉県海業推進基本構想策定検討会」の意見及びパブリックコメント等の意見を踏まえ、「千葉県海業推進基本構想」を策定したことを5月30日に発表した。基本構想は、海業推進の背景、現状分析、目指す姿、今後の取組の4章から構成されている。また図表等を多く用いた概要版もあわせて公表されている。
https://www.pref.chiba.lg.jp/suisan/press/2025/umigyou-sakutei.html


5.FLOWRAとイノベーション・ノルウェー、浮体式洋上風力で連携

 浮体式洋上風力発電技術研究組合(FLOWRA)とイノベーション・ノルウェー(Innovation Norway)は、6月3日、浮体式洋上風力分野における技術開発協業を検討するための覚書を締結したことを発表した。人材交流や具体的な共同技術開発項目を含む浮体式洋上風力分野の開発リスクとコストを削減し、産業発展に資する様々な事項を幅広く検討するための協力体制構築の可能性を追求するとしている。
https://flowra.or.jp/news/flowra%e3%81%a8%e3%82%a4%e3%83%8e%e3%83%99%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%8e%e3%83%ab%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%83%bc%e3%81%8c%e9%80%a3%e6%90%ba%e3%82%92%e7%99%ba%e8%a1%a8/


6.九電みらい、商用スケール大型潮流発電機の実証運転を開始

 九電みらいエナジー(株)は、商用スケール大型潮流発電機の実証運転を開始したことを5月26日に発表した。同社は、環境省「潮流発電による地域の脱炭素モデル構築事業(2022年度~2025年度)」を受託しており、2月10日に、長崎県五島市沖の奈留瀬戸の海底に、国内初となる商用スケールの大型潮流発電機(1,100kW)を設置、試運転調整等を実施し、経済産業省より電気事業法に基づく使用前検査の合格証を5月23日付で受領した。今後、五島市内の電力系統に接続する等、商用化を目指した実証運転を進めるとしている。
https://www.q-mirai.co.jp/files/optionallink/00000612_file.pdf?1748339926


7.全漁連・東ガス等、福島県沿岸の藻場育成等を通じた豊かな海づくりで協定

 JF全漁連、JF福島漁連、海洋建設(株)、東京ガス(株)は、5月1日付で、JFいわき市、JF相馬双葉それぞれと「福島県沿岸における藻場育成等を通じた豊かな海づくりに関する協定書」を締結したことを5月16日に発表した。同協定書は、「JFグループと協力・連携の上、藻場育成などの活動を通じて、日本沿岸域の海洋環境保全に貢献したい」との東京ガスからの働きかけにより、福島県沿岸域にて、藻場の育成や魚介類の増殖を通じた「豊かな海づくり」を目的とした活動に取り組むためのものである。
https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20250516-01.html


8.ENEOS等、環境省の海洋資源を活用したCCUSに関する調査検討業務を受託

 ENEOS(株)は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所(PARI)と共同で、環境省より「令和7年度海洋資源を活用したCCUSに関する調査検討業務」を受託したことを5月20日に発表した。同業務は、CO2吸収源対策としての「ブルーカーボン」の拡大のために、深海域における海藻類の挙動や、周辺環境に及ぼす影響等について調査・検討を行い、海洋資源を活用したCCUSの推進及びエネルギー起源CO2削減に資することを目的とする。
https://www.eneos.co.jp/newsrelease/20250520_01_01_1040009.pdf


9.商船三井、ウインドチャレンジャー搭載船の発明で全国発明表彰WIPO賞受賞

 (株)商船三井は、(公社)発明協会が主催する令和7年度の全国発明表彰において、『風力推進船の帆の高さが伸縮可能な硬質翼の発明』が「WIPO賞」に選ばれ、「発明実施功績賞」を受賞したことを5月27日に発表した。今回の受賞は、帆を上下に伸縮させることで高さの調整が可能な硬翼帆の発明に関するもので、硬翼帆を用いることで化石燃料に代わる推進エネルギー源として風力を船の推進力へ変換し、燃料節減に伴う温室効果ガス排出削減効果が期待できるとしている。
同発明品は、現在、松風丸とGreen Windsの2隻に搭載されており、今後はばら積み船7隻、LNG船2隻に順次搭載され、2030年までに25隻、2035年までに80隻への搭載を計画している。

https://www.mol.co.jp/info/article/2025/0527.html


10.岩手県三陸海域研究論文知事表彰事業で研究論文を募集

 4月1日から8月31日まで、令和7年度岩手県三陸海域研究論文知事表彰事業(主催:岩手県)が実施されている。三陸海域で研究を実施している若手海洋研究者に発表の機会を設けることにより、研究者の育成と更なる研究活動を奨励し、将来に向けた海洋研究拠点形成の礎を築くとともに、交流人口の増加を通じた地域振興を図ることを目的として実施されている。応募資格は、学生の部(日本国内の大学等又は高等専門学校の4~5年次に在学する学生、大学院生)、一般の部(日本国内の研究機関等(大学、公設試験研究機関等)に所属(非常勤、臨時職員を含む)する45歳以下(令和7年4月1日現在)の研究者)となっている。
https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/monozukuri/kaiyou/sanriku/1082215.html


11.エクイノール社、米国NY沖の洋上風力発電の建設を一時停止後、再開

 エクイノール社は、5月20日付のニュースリリースで、米国内務省海洋エネルギー管理局(BOEM)から、同社が事業主体となっているニューヨーク沖の洋上風力発電プロジェクト「Empire Wind」の作業停止命令が解除され、建設活動を再開できるとの通知を受けたことを発表した。同プロジェクトは、トランプ政権により4月16日に作業停止命令の発令後、一時停止されていたが、政府、州、市の当局者との協議の結果、命令は解除されたとのこと。

https://www.equinor.com/news/20250519-empire-wind-project-resumes-construction

https://www.governor.ny.gov/news/statement-governor-kathy-hochul-79


12.6月9日~13日、第3回国連海洋会議をフランス・コスタリカが共催

 6月9日から13日にかけて、「『持続可能な開発目標(SDG)14』実施支援・国連会議」(国連海洋会議)がフランスとコスタリカの2か国の共催によりニースで開催された。第3回目となる今回の会議では、「海洋の保全及び持続可能な利用に向けた行動の促進及び全ての関係者の参加」という包括的なテーマの下、SDG14の実施を支援するための方法と手段の特定方法について議論する。日本からは松本外務大臣政務官が出席し、11日の全体会合において、日本は海洋国家として海洋に関する国際協力に強くコミットしている旨を述べた上で、海洋の保全及び持続可能な利用を目指すSDG14の達成に向けて、国際社会の更なる行動が必要であることを強調し、取組の拡大を呼びかけた。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ge/pageit_000001_00002.html

https://sdgs.un.org/conferences/ocean2025


《海産研関係情報》

1.定時総会、2025年度懇親会開催

 6月11日に2025年度の定時総会を開催した。定時総会では、2024年度の事業報告及び決算報告並びに監査報告、役員の選任に関する件等の各議案が承認された。引き続いて開催された懇親会には、公務ご多忙の中、坂井学海洋政策担当大臣、黄川田仁志衆議院議員にお越しいただきご挨拶をいただいた。約220名の方にご参加をいただき、情報と意見を交換しながら旧交を温めるとともに、新たな交流の輪も広げていただくことが出来た。


2.2025年度、会員向け出張情報サービスの実施について

 当協会では、会員企業等を対象に事務局スタッフがお伺いし、これまで当協会が蓄積してきた情報をもとに特定のテーマに関する情報提供を行う「出張情報サービス」を実施しています。社内研修の一環等にご利用いただければと思います。今年度は、9月末迄の期間で、随時、申し込みを受け付けます。詳細につきましては、お気軽に事務局までお問い合わせください。





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