第301号
2025年もいよいよ最後の月になりました。どんどんと一年が短くなっている感があります。洋上風力発電の分野では、秋田県、千葉県のいわゆる第一ラウンドの事業者が撤退したあと、政府当局は新たな事業者を年内に設定することとしています。担当者の苦労は計り知れませんが、うまく進むことを祈っております。当協会は、来年もSEA JAPANに併設されるOffshore Port Techに出展すべく作業を開始しました。4月22日から24日に開催されます。多くの方にビッグサイトにおいでいただければと思います。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.エネ庁・国交省、洋上風力合同会議第39回、40回を開催
2.令和7年度「日本版MaaS推進・支援事業」(2次公募)の選定
3.いであ(株)代表取締役会長田畑日出男氏、「TECHNO-OCEAN AWARD」を受賞
4.商船三井、東京海洋大学ビジネスプラン・コンテストに賞を新設
5.富士通、藻場のブルーカーボン定量化で海洋デジタルツイン技術を開発
6.三菱造船等、液化CO2 輸送船・新燃料船等の標準設計スキームで覚書締結
7.12/25、パスコが事業者向け伊豆諸島洋上風力発電に関する共同調査説明会
8.DNV、海運業界のネットゼロ促進を支援するガイド書を公表
9.ドイツで国内最大級960MW洋上風力発電施設が稼働開始
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《一般情報》
1.エネ庁・国交省、洋上風力合同会議第39回、40回を開催
11月19日、経済産業省と国土交通省は、洋上風力に関する合同会議(「総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会/電力・ガス事業分科会再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会洋上風力促進ワーキンググループ」 「交通政策審議会港湾分科会環境部会洋上風力促進小委員会」 合同会議)(第39回)を開催した。議題は、「洋上風力事業を完遂させるための事業環境整備」、「洋上風力事業を完遂させるための新たな公募制度」となっている。続けて、12月3日には、同合同会議(第40回)が開催され、議題は「洋上風力事業を完遂させるための新たな公募制度に関するヒアリング」で、事業者ヒアリング団体として(一社)日本風力発電協会、(一社)再生可能エネルギー長期安定電源推進協会、(一社)日本建設業連合会、(一社)日本埋立浚渫協会の4団体があげられ、それぞれから説明がなされた。
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/039.html
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/yojo_furyoku/040.html
2.令和7年度「日本版MaaS推進・支援事業」(2次公募)の選定
国土交通省は、11月14日「日本版MaaS推進・支援事業」(2次公募)の選定の結果、10件の事業を支援対象としたことを発表した。同事業は、バス・鉄道・タクシー・水上交通・シェア交通など複数の交通事業者が連携・協働し、多様な交通サービスを「ひとつのサービス」として提供することで、マルチモーダルかつシームレスな移動体験を実現することを目的としている。海洋関係では、横浜、大阪、小豆島における水上交通高度化プロジェクトが選定されている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo12_hh_000483.html
3.いであ(株)代表取締役会長田畑日出男氏、「TECHNO-OCEAN AWARD」を受賞
11月27日~29日に神戸で開催された「Techno-Ocean 2025」において、いであ(株)代表取締役会長田畑日出男氏(当協会理事)の「TECHNO-OCEAN AWARD」授賞式が行われた。TECHNO-OCEAN AWARDは、海洋関連活動等に多大なる貢献をしたと認められる人等に対し、テクノオーシャン・ネットワーク(会長:満岡次郎(経団連海洋開発推進委員長))がその対象者を表彰するもの。田畑氏は、長年にわたり安定的な企業経営と研究開発を融合させ、国内初の民間企業によるホバリング型AUV「YOUZAN」の開発・導入、SIP海洋プロジェクトへの参画等、我が国の海洋産業全体の発展に多大な寄与等をされている。これらが受賞理由としてあげられた。
https://www.techno-ocean.com/business/award/
4.商船三井、東京海洋大学ビジネスプラン・コンテストに賞を新設
(株)商船三井は、12月3日、東京海洋大学が主催するビジネスプラン・コンテストにおいて、新たに「商船三井賞」を設けたと発表した。学生による海洋・海運分野の新たなビジネスアイデアや技術提案を対象に、次世代人材の育成と海洋分野のイノベーション創出を後押しするとしている。賞金100万円相当で、受賞チームは、賞金(100万円相当)を実証試験等に係る費用に活用できる。また、同社は受賞チームに対し、実証過程での助言や事業化に向けた相談対応等も実施するとしている。
https://www.mol.co.jp/info/article/2025/1203.html
5.富士通、藻場のブルーカーボン定量化で海洋デジタルツイン技術を開発
富士通(株)は11月26日、藻場のブルーカーボンを高精度かつ高速に定量化する海洋デジタルツイン技術を開発したと発表した。水中ドローンの高精度な自動航行(±50cm)、藻場の海藻・海草の種類と被度を85%以上で認識する定量化技術、藻場創出シミュレーションの3要素技術を統合し、従来比100倍高速での計測を実現した。また、宇和海での実証を経て、95%の高認定率でJブルークレジットの認証を取得した。
https://global.fujitsu/ja-jp/pr/news/2025/11/26-01
6.三菱造船等、液化CO2 輸送船・新燃料船等の標準設計スキームで覚書締結
(株)三菱造船、(株)今治造船、川崎汽船(株)、(株)商船三井、日本郵船(株)、ジャパン マリンユナイテッド(株)、日本シップヤード(株)の7社は、12月1日、液化CO2輸送船及びアンモニア燃料等を用いた新燃料船を対象に、(株)MILESが基本設計を担い、国内造船所が共通設計に基づき機能・生産設計を行う「標準設計スキーム」構築に向けた覚書を締結したことを発表した。脱炭素船の効率的な開発と国際競争力の強化を目指すとしている。
https://www.nyk.com/news/2025/20251201_01.html
7.12/25、パスコが事業者向け伊豆諸島洋上風力発電に関する共同調査説明会
(株)パスコは、東京都伊豆諸島海域における洋上風力発電に関する共同調査(風況調査)の企画・運営事務局を担っており、12月25日に、洋上風力発電事業を検討中の発電事業者向け共同調査(風況調査)説明会(Web会議併用)を開催する。説明内容は、企画概要(背景、実施スキーム・フロー案等)、調査概要(調査メニュー案、調査地点案、概算費用、スケジュール案等)となっている。詳細及び参加方法については、下記リンク先を参照のこと。
https://www.pasco.co.jp/press/2025/download/PPR20251204J.pdf
https://www.pasco.co.jp/topics/
8.DNV、海運業界のネットゼロ促進を支援するガイド書を公表
DNVは、11月17日付のニュースリリースで、海運業界の脱炭素化を推進するためのガイド書「ネットゼロガイド:世界の海運会社のための実践的アプローチ」を公表した。同書は世界海運業者フォーラム(WMMF:World Maritime Merchant Forum)と協力し、客観的なデータ観測及び豊富な運航実績に基づき作成され、船主が国際的な排出規制や地域毎の規制に適合した意思決定を行うための実用的な手順を示しているとのこと。また、燃費効率の向上、段階的な燃料転換、船団の更新・改修の考え方等、経費を抑制するための方法も提示している。
https://www.dnv.com/news/2025/dnv-and-wmmf-publish-guide-to-support-shipowners-path-to-net-zero/
9.ドイツで国内最大級960MW洋上風力発電施設が稼働開始
ドイツのエネルギー会社・EnBW社は、11月26日付のニュースリリースで、同社が運転するHe Dreiht洋上風力発電施設の最初の風力発電機が電力供給を開始したことを発表した。同施設では国内最大となる総出力960MW、合計64基の風力発電機の建設が予定されており、そのうち27基の建設が完了している。今後数週間かけて、順次他のタービンも稼働させ、2026年夏までに全て運転開始予定とのこと。
https://www.enbw.com/press/first-wind-turbine-from-enbw-he-dreiht-produces-electricity.html