第308号
梅雨明けが待たれるなか、政府の成長戦略をめぐる議論が大きく動いています。6月下旬には、経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議が開かれ、戦略17分野について、主要な製品・技術等ごとの官民投資額や投資ロードマップ案が示されました。海洋関係では、海洋無人機、海洋状況把握(MDA)、革新的海底開発技術・システムに加え、次世代船舶、洋上風力、港湾ロジスティクス、国際通信を支える海底ケーブルなども関連分野として位置付けられています。今後、日本成長戦略の取りまとめ・決定に向けて、これらの海洋関連分野がどのように位置付けられるのか、引き続き注目されます。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.6/29、総合海洋政策本部会合(第24回)を開催
2.第11回アワ・オーシャン会議への出席概要を公表
3.東京都、東京ベイeSGプロジェクト参画事業者を公募
4.電源開発等6社、次世代浮体式風車「FAWT」小型実験機を長崎県沖に設置
5.東洋建設、自航式ケーブル敷設船「DISCOVERY」の引渡し式を挙行
6.日本郵船、大阪大学と再使用型ロケット洋上回収システムの研究開発で連携
7.商船三井、日本IBMと船舶運航の意思決定高度化AIプラットフォーム共同開発
8.EU理事会、海事産業戦略を承認
9.独・RWE社、北海の洋上風力発電所で初号機風車を設置
《海産研関係情報》
1.2026年度、会員向け出張情報サービスの実施について(再掲)
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《一般情報》
1.6/29、総合海洋政策本部会合(第24回)を開催
6月29日、総理大臣官邸において第24回総合海洋政策本部会合が開催された。同会合では、海洋分野の「主要な製品・技術等」に関する官民投資ロードマップ(案)や、海洋開発等重点戦略のフォローアップ状況について報告が行われた。また、低潮線保全計画に基づき昨年度に実施された主な取組や「わが国の北極政策」の現状、同本部参与会議からの意見についても審議された。配布資料には投資ロードマップの概要や工程表などが含まれており、政府の海洋政策の進捗と今後の方向性が示されている。なお、参与会議からの意見書は、総合海洋政策本部参与会議の中西座長(京都大学大学院教授)から、総合海洋政策本部長である高市内閣総理大臣へ手交された。
https://www.cas.go.jp/jp/seisakukaigi/kaiyou/dai24/24gijisidai.html
https://www.cao.go.jp/minister/2602_j_akama/photo/2026_012.html
2.第11回アワ・オーシャン会議への出席概要を公表
内閣府総合海洋政策推進事務局は、6月30日、第11回アワ・オーシャン会議(主催国:ケニア)の概要を公表した。我が国からは木原晋一内閣府総合海洋政策推進事務局次長が参加し、気候変動、持続可能な漁業、海洋汚染、海洋の安全保障、ブルーエコノミー等に関する計13件・約4億ドル相当の日本政府のコミットメントが発表された。
https://www8.cao.go.jp/ocean/policies/international/ooc2026/ooc2026.html
3.東京都、東京ベイeSGプロジェクト参画事業者を公募
東京都では、中央防波堤エリア等を活用し、最先端テクノロジーの社会実装を推進する「Tokyo Bay Innovation Field」の参画事業者を公募している。中央防波堤エリアを実証フィールドとして無償で活用できる「フィールド提供型」と、生活や産業に身近な周辺ベイエリアを現場として社会実装に取り組むプロジェクトを支援する「プロジェクトサポート型」が設けられている。このうち「プロジェクトサポート型」については、7月1日に詳細が公開された。同型では、次世代モビリティ・ロボティクス、最先端再生可能エネルギー、環境改善・資源循環等の分野を対象に、社会実装を見据えたプロジェクトに対し、1件当たり1か年度で上限8,000万円の支援が行われる。
https://www.tokyobayesg.metro.tokyo.lg.jp/priorityprojects/recruitment2026.html
4.電源開発等6社、次世代浮体式風車「FAWT」小型実験機を長崎県沖に設置
7月8日、電源開発(株)、東京電力ホールディングス(株)、中部電力(株)、川崎汽船(株)、住友重機械工業(株)、(株)アルバトロス・テクノロジーの6社から成るコンソーシアムは、長崎県壱岐市内の実証海域において次世代浮体式風車「浮遊軸型風車(FAWT)」の小型実験機の海上設置を完了し、実証を開始した。同実証は7月2日から1年間の予定で実施される。実験機は、直径9.3mの垂直軸型風車と円筒浮体を組み合わせた構造で、最大出力は20kWとなっている。コンソーシアムは、実証の結果を大型機の設計高度化に活用し、将来的なメガワット級実証機の開発と商用化を目指す方針としている。
https://www.jpower.co.jp/news/2026/07/news260708.html
5.東洋建設、自航式ケーブル敷設船「DISCOVERY」の引渡し式を挙行
東洋建設(株)は6月26日、建造を進めていた自航式ケーブル敷設船「DISCOVERY」の引渡し式をノルウェーVARD社の造船所で行った。同船は国内最大級となる総容量9,000トンのケーブルタンクや自動船位保持システム(DP Class 2)を備え、国内洋上風力市場における海底ケーブル敷設工程の中核資産として位置付けられている。今後、日本への回航及び国内での最終仕上げを経て、実運用に向けた準備を進めるとしている。
https://www.toyo-const.co.jp/topics/generalnews-27052
6.日本郵船、大阪大学と再使用型ロケット洋上回収システムの研究開発で連携
日本郵船(株)は、7月1日、JAXAの宇宙戦略基金事業で進める再使用型ロケットの洋上回収システムについて、大阪大学を連携機関に迎えたことを発表した。大阪大学の造船・舶用工学分野の知見を活用し、洋上回収船の運動特性解析、回収船システムの最適設計、実証試験に向けた基礎検討を進めるとしている。
https://www.nyk.com/news/2026/20260701_01.html
7.商船三井、日本IBMと船舶運航の意思決定高度化AIプラットフォーム共同開発
(株)商船三井と日本アイ・ビー・エム(株)は、7月1日、船舶運航に関わる気象・海象、航行状況、地政学動向等の情報を統合し、意思決定を高度化するAI活用型プラットフォームを共同開発したと発表した。商船三井の安全運航支援センターを中核に、生成AI等を活用して航行リスクの抽出や判断支援を行い、安全運航の高度化を図るとしている。
https://www.mol.co.jp/pr/2026/26041.html
8.EU理事会、海事産業戦略を承認
EU理事会は6月8日、海事産業戦略に関する結論文書を承認した。戦略では、造船、舶用機器、海運、海洋エンジニアリングを欧州の戦略的産業基盤と位置付け、産業競争力や経済安全保障、脱炭素化の強化を目指す。また、欧州海事産業が直面する課題として、世界的な競争激化、地政学的緊張、第三国生産への依存、脱炭素化への対応、人材不足などを挙げた。更に理事国からは第三国による市場歪曲や不公正な補助金政策への懸念も示された。
https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2026/06/08/council-approves-conclusions-on-the-eu-maritime-industrial-strategy/
9.独・RWE社、北海の洋上風力発電所で初号機風車を設置
ドイツに本拠を置く国際的なエネルギー会社であるRWE社は6月11日のプレスリリースで、北海で建設中の洋上風力発電所「Nordseecluster」において、最初の風車を設置したと発表した。同事業の総設備容量は1.6GWで、第1期の「Nordseecluster A」は660MW、第2期の「Nordseecluster B」は900MWで構成される。第1期では最大15MW級のVestas製風車44基を設置する計画で、2027年初頭の運転開始を予定している。
https://www.rwe.com/en/press/rwe-offshore-wind-gmbh/2026-06-11-first-turbine-up-at-nordseecluster-a-offshore-wind-farm-in-german-north-sea/
《海産研関係情報》
1.2026年度、会員向け出張情報サービスの実施について(再掲)
当協会では、会員企業等を対象に事務局スタッフがお伺いし、これまで当協会が蓄積してきた情報をもとに特定のテーマに関する情報提供を行う「出張情報サービス」を実施しています。社内研修の一環等にご利用いただければと思います。今年度は、9月末迄の期間で、随時、申し込みを受け付けます。詳細につきましては、お気軽に事務局までお問い合わせください。