第311号
9月に入りましたが、前線や台風の影響で各地に大雨が降り、落ち着かない日が続いています。被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。最近は、短時間に激しい雨が降ることも多く、いつ、どこで災害が起きても不思議ではないと感じます。9月1日の『防災の日』や『防災週間』を機に、避難場所や備蓄品などを改めて確認しておきたいと思います。
======= 目 次 =======
《一般情報》
1.国土交通省、造船業再生基金に係る供給確保計画3件を初認定
2.NEDO、浮体式洋上風力発電の低コスト化に向け、5件の新たなテーマを採択
3.横浜国立大学、造船海洋ルネサンス国際連携センター(SORIC)開所記念式開催
4.東洋建設、海底電力ケーブル埋設システムがClassNKのAiPを取得
5.NEC、デュアルユースを視野に水中音響基盤モデル構築に向けた研究を開始
6.日本郵船等、港湾立地型洋上データセンターのコンセプトを策定
7.JFEエンジニアリング、洋上風力発電向け基礎「モノパイル」国産初品を完成
8.関西電力、ドイツのボークムリフグルンド3洋上風力発電事業が商業運転開始
9.住友商事、英国の浮体式洋上風力発電事業に初参画
10.RWE社、米国沖の洋上風力発電リース海域を返上
《海産研関係情報》
1.<会員向け>海洋産業の次なる発展に資する研究テーマの募集
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《一般情報》
1.国土交通省、造船業再生基金に係る供給確保計画3件を初認定
国土交通省は9月4日、造船能力の強化に向け、経済安全保障推進法に基づく船舶の部品(船体)の供給確保計画3件を、造船業再生基金の造成後初めて認定した。認定を受けた事業者と、各計画に対する2026~2034年度の最大助成額は以下のとおり。
・今治造船株式会社、多度津造船株式会社、株式会社スチールハブ:約1,138億円
・ジャパン マリンユナイテッド株式会社、株式会社JMUアムテック、有明スチールセンター株式会社:約494億円
・株式会社名村造船所、函館どつく株式会社:約499億円
同省は今後も順次計画を認定し、造船能力の抜本的強化を進めるとしている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/kaiji05_hh_000345.html
2.NEDO、浮体式洋上風力発電の低コスト化に向け、5件の新たなテーマを採択
NEDOは8月17日、「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」において、2030年以降のさらなる低コスト化を見据え、新たに5件の研究開発テーマを採択した。日本の気象・海象条件や水深条件などに適した浮体式洋上風力発電技術について、安全性、信頼性、経済性の観点から技術的成立性を検証する。採択されたのは、(株)大林組等によるTLP型ハイブリッド浮体、大成建設(株)等によるコンクリート製浮体、JFEエンジニアリング(株)等によるモジュール型浮体、神鋼鋼線工業(株)等による係留システム、東京電力リニューアブルパワー(株)等による洋上での風車施工・大規模修理技術に関する研究開発となっている。事業期間は2026~2027年度を予定している。
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101959.html
3.横浜国立大学、造船海洋ルネサンス国際連携センター(SORIC)開所記念式開催
横浜国立大学は8月19日、総合学術高等研究院に設置した「造船海洋ルネサンス国際連携センター(Shipbuilding & Ocean Renaissance International Center:SORIC)」の開所記念式を開催した。同センターは、「造船業の再生」と「海洋への挑戦」という2つの国家課題に対応するため、2026年6月に設置された。船舶海洋工学の基礎分野を中核に、造船・海洋分野の教育研究機能を体系的に強化し、分野横断的かつ国際連携型の拠点形成を目指している。また、「海事産業戦略・国際連携」「先端造船技術・人材育成」「海洋利用・産業創出」「次世代造船DXシステム」の4つのラボで構成され、造船業界や国内外の関係機関と連携しながら、先端技術の研究開発と実践教育を一体的に推進することで、次世代の船舶・海洋システムと産業基盤の創出を目指すとしている。
https://www.ynu.ac.jp/hus/koho/020662/detail.html
4.東洋建設、海底電力ケーブル埋設システムがClassNKのAiPを取得
東洋建設(株)は8月24日、洋上風力発電施設のケーブル埋設工事に導入する「高出力ウォータージェット式電力ケーブル埋設システム」について、(一財)日本海事協会(ClassNK)から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。海底電力ケーブル埋設システムのAiP取得は国内初。同システムは、高出力ウォータージェット式ケーブル埋設機、着水揚収装置(LARS)、母船で構成され、高出力の水流噴射により海底電力ケーブル埋設作業の効率化を図るとしている。同社は2023~2025年度、NEDOの「洋上風力発電低コスト施工技術開発」の助成事業として同技術の実証に取り組み、今回のAiP取得もその成果の一つとしている。
https://www.toyo-const.co.jp/topics/technicalnews-27425
5.NEC、デュアルユースを視野に水中音響基盤モデル構築に向けた研究を開始
日本電気(株)は8月18日、防衛装備庁防衛イノベーション科学技術研究所が実施する「革新型ブレークスルー研究」において、「自己教師あり学習による水中音響基盤モデルに関わる研究委託(その1)」を受注し、研究を開始したと発表した。膨大な水中音響データを学習し、大規模言語モデル(LLM)のような汎用的な生成AIを水中音響の領域で実現することを目指し、2027年度までに基盤モデルを構築する。基盤モデルにより海中の事象を的確・迅速に把握し、海のデジタルツインの構築につなげるほか、防衛用途に加え、海洋生物・資源の探査や環境モニタリングなどへの活用も見込んでいる。
https://jpn.nec.com/press/202608/20260818_02.html
6.日本郵船等、港湾立地型洋上データセンターのコンセプトを策定
日本郵船(株)、(株)NTTファシリティーズ、(株)ユーラスエナジーホールディングス、(株)三菱UFJ銀行は9月1日、洋上浮体型データセンター(洋上DC)の実現に向け、「港湾立地型洋上DC」のコンセプトを策定したと発表した。港湾立地型洋上DCは、浮体型DCを港湾エリアの岸壁に横付けして運用するもので、既存インフラとの接続や沿岸資源の活用が可能。4社はその社会実装を進め、将来的な沖合立地型洋上DCの実現につなげるとしている。
https://www.nyk.com/news/2026/20260901_01.html
7.JFEエンジニアリング、洋上風力発電向け基礎「モノパイル」国産初品を完成
JFEエンジニアリング(株)は8月26日、笠岡モノパイル製作所(岡山県笠岡市)において、国内初となる洋上風力発電向け基礎構造物「モノパイル」の国産初品を完成したと発表した。完成したモノパイルは、男鹿・潟上・秋田 Offshore Green Energy(同)が推進する「秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖洋上風力発電事業」向けで、同社は鹿島建設(株)から基礎製造・輸送業務を受注している。モノパイルは最大直径約11m、長さ約80m、重量約2,000tとなっている。
https://www.jfe-eng.co.jp/news/2026/20260826.html
8.関西電力、ドイツのボークムリフグルンド3洋上風力発電事業が商業運転開始
関西電力(株)は8月31日、ドイツ連邦共和国で参画する「ボークムリフグルンド3洋上風力発電事業」が商業運転を開始したと発表した。同事業は沿岸から約70kmの沖合に11,000kWの風車83基を設置するもので、設備容量は91.3万kWと、ドイツの洋上風力発電事業として最大級。関西電力は100%子会社のケーピック・ネザーランド社を通じて約3.5%を出資している。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2026/pdf/20260831_1j.pdf
9.住友商事、英国の浮体式洋上風力発電事業に初参画
住友商事は8月10日、英国ケルト海で開発中の浮体式洋上風力発電事業「Gwynt Glas Offshore Wind Farm」の株式33.3%を取得し、事業に参画すると発表した。同事業はフランス電力公社およびアイルランド電力公社が開発を進めており、最大1.5GWの発電容量を計画している。同社にとって初の浮体式洋上風力発電事業への参画となる。
https://www.sumitomocorp.com/en/jp/news/release/2026/group/21350
10.RWE社、米国沖の洋上風力発電リース海域を返上
RWE社は8月6日、米国内務省との和解契約を締結し、洋上風力発電開発にかかるリース契約を締結していたニューヨーク湾岸、カリフォルニア沖、ルイジアナ沖の海域を返上すると発表した。和解金は12.2億ドル(約1,870億円)。同社はこれまでに10億ドル超を投資していたが、今後の許認可取得の見通しが立たないことから撤退を決定した。また同社は、LNG事業やガスタービン発電設備などの米国エネルギー事業への投資を継続する方針を示している。
https://www.rwe.com/en/press/rwe-americas/2026-08-06-rwe-us-offshore-reaches-settlement-with-doi-on-offshore-wind-leases/
《海産研関係情報》
1.<会員向け>海洋産業の次なる発展に資する研究テーマの募集
当協会では現在、会員の皆様から「海洋産業の次なる発展に資する研究テーマ」を募集しております。会員各位が関心をお持ちの分野・テーマ、一企業・一業種を越えて取り組みたい研究課題、海洋事業を展開する上で課題と感じている事項など、幅広くご提案ください。具体的な研究テーマをお持ちでない場合でも、関心のある分野についてご意向をお知らせいただければ、今後の研究活動を検討する際の参考とさせていただきます。また、自社で実施されている研究開発等について、話題提供や会員への周知を希望される案件も募集しております。今回は、2枚の用紙にご記入いただく形でご意見・ご提案をお寄せいただきます。締切は10月5日(月)です。ぜひ積極的にご提案いただければ幸いです。詳細につきましては、事務局までお問い合わせください。
(e-mail:rioe@rioe.or.jp)